ないなりに、ないなる。

物を捨てきれないなりにミニマリスト目指す。(https://seminimalist.info/)のサブブログですよ。

「ミニマリストとは」という質問と、173cmの世界。


ミニマリストってどんなかんじですか」とか「あなたにとってミニマリズムとは」みたいな質問は難しいです。

悪い質問ではありません。それは「好きってどういうことですか」なんて質問と同じくらい素敵です。村上春樹なら、春の熊みたいな気持ちだよと答えることでしょう。ビロードみたいな毛なみの目のくりっとした可愛い子熊です。でも、ミニマリズムについての問いに、さらっと答えるのは、なかなか難しいことです。

ひとつには、僕がそもそもミニマリストではないからです。電子レンジと冷蔵庫を捨てた時でさえ、僕はミニマリストを名乗れませんでした。その時の微妙な気持ちは、当時記事にしたことがあります。

seminimalist.info

もうひとつには、ミニマリズムは僕にとってとても身近なもので、どんなかんじかといわれても、言語化が極めて難しいということです。それでも、僕はそれをネタにブログを書く以上、言語化に努めるのですが、浮き上がってくる言葉を端から掬っては野に放つようなもので、自分の内側へのストックはあまりないのです。たまに完全に見えた角度は、すぐに忘れてしまうんです。

僕の身長は173cmです。縮んでなければ、そのはずです。人から「ねえ、173cmの世界は、172cmの世界に比べてどうだい?」と聞かれたら、きっと困ってしまうことでしょう。「そう。とりたててひとつ言うのなら、多分目線が1cm高いね。僕の目測が正しいなら」と言うくらいしかありません。「じゃあ、174cmの世界と比べてどう?」と言われたら更に困ります。僕は174cmになったことがないからです。

ミニマリズムとは、173cmの身長のようなものです。比較するのが172cmなら、まだそれらしい回答をひねりだすこともできますが、174cmとなるともうお手上げです。僕は、その世界を知らないからです。質問されると、僕は悩んでしまいます。まず比較すべき何某かを探さねばなりません。次に、それが172cmか174cmか判断しなければなりません。悩ましい問題です。でも、悪い質問ではありません。ただ、僕がうまく答えられなくても、笑って許していただけると幸いなのです。